Twitter買収劇から突然の名称変更
イーロン・マスクは変人だけど・・・
2022年10月、かねてから噂にはなっていたTwitter社をイーロン・マスクが買収した。
Twitter社内では早々にリストラが進められ、肥大化していた組織のシェイプアップが図られたようだが、ライトユーザーの身としては、特に見た目も使い勝手にも変更はなく、以前同様に時折つぶやくSNSライフを送っていた。
(ただ、ブロガーとしては、JetpackのTwitter連携がなくなってしまい、更新時にTwitterで自動的に更新案内を投稿することができなくなってしまった。)
イーロン・マスクは世界1〜2番目(株価により若干変動。LVMHグループ会長のベルナール・アルノーと競っている)の大富豪であり、稀代の天才かつ変人としても有名だ。
事実、マーケットには「イーロン・リスク」と言う言葉がある。
イーロン・マスクはファンも多く、イーロンだから株を買うという投資家も多い一方、イーロンの奇抜な一言は時に株価を下げる原因にもなっており、株価の乱高下につながっているのだ。
きっとなにかやり出すに違いない、側から見る分にはワクワクしながらTwitterの変化を見守っていた。
おじさんは昔の自由なインターネットを思い出した
期待を裏切らず、年明けくらいからTwitterは変わっていった。
次第に自由な発言が散見されるようになってきた。
ご存知のように、いまやYouTubeを筆頭にネットには使用不可の言葉があり、特にやや右巻き思考の人は言論統制された状態となっている。
生まれた時からインターネットが身近にある若い世代のことはわからないが、おじさん世代にとってテレビではなくインターネットにのめり込んんだ理由として、「自由な意見のやり取り」が挙げられる。
あの「2ちゃんねる」を立ち上げたひろゆきの発した、
「ハッキングから夜のおかずまで手広くカバー(する掲示板)」や
「嘘を嘘だと見抜けない人には(掲示板(2ちゃんねる)を使うのは)難しい」
はネット初期の自由な(そして無秩序な)風潮をよく言い表していると思う。
そんな時代と比べるとインターネット内での意見のやり取りもずいぶん堅苦しくなってしまっていた。
ふと気がつくと、「意見の発露」という観点ではテレビと大差ない状態へとなってしまっている感も拭えない。
そんな空気が蔓延している中、新生Twitterは明らかな誹謗中傷以外は自由に発言でき、一昔前のインターネットを思い出させるシロモノだった。
かくいうわたしも、前は1日に数えるほどしか見なかったTwitterアプリの閲覧回数が徐々に増えていった。
仕様変更は突然に
5月に入って、突然Twitterが使えなくなってしまっていた。
正確には有料アカウント開始に伴うシステムアップデートだったが、数日続いたうえにさまざまな情報が錯綜して、先に述べた「イーロン・リスク」さながら強引にTwitterの仕様を改悪したのではないかという憶測も飛び交った。
幸にしてアップデート騒動も収まり、しばらくは大きな変更もないだろうと多くのユーザーが思っていた矢先、社名変更のニュースが飛び込んできた。
X.com、スペースX、そしてX
イーロン・マスクは1999年にオンライン金融サービスPayPalの前進となる「X.com」を2002年に今ではテスラに続く知名度を得た「スペースX」を立ち上げている。
そのようなバックグランドを踏まえれば、Twitterの社名を「X(エックス)」に変更するという報道はそれほど突拍子もないことではない。
実際にわたしも、「これまた突然だな・・・」と思いながらもそれ以上の感想は持ち得なかった。
嬉しそうなイーロン・マスク
違和感を感じたのは、「X」のロゴは暫定案であり、正式なロゴは後日発表すると報道があったことと、サンフランシスコの本社ビルにやたら光量の強いこの暫定案のロゴマークを設置したことにある。
以前までのTwitterのロゴマークは非常に良くできている。
キャッチーなブルーカラーにささやきを想起させる鳥のロゴ。そして鳥のさえずりを意味するTweetにかけた社名。特にネガティブに働くようには感じられない。
「X」という社名に置き換えるにしても、これまでのロゴに負けないようにマーケティングをしっかりと行ったうえで斬新なロゴとともに社名を発表するのが王道ではないだろうか。
それをよりにもよって昭和の時代にシャープから出ていたX1というパソコンのロゴのような単純なデザインを・・・
全然違うかな・・・
そして、看板だ。
この決してカッコよくない「X」のデザインをこれほど急いでサンフランシスコの本社に掲げる必要があるのか多いに疑問である。
(事実、今日(7/31)のロイターの記事で看板の光量が強すぎて近隣住民から不評であることと、違法建築の可能性が指摘されている)
そこで、得た結論はイーロンが急いでTwitterの社名を「X」にしたのはすぐにでも世界中の人たちに「X」に関連する何かしらのメッセージを打ち出したかったからではないか。
「X」であれば、彼のバックグランドから違和感なく受け入れられ、かつイーロンの行動がやや不思議な、社会情勢的には中立な人間であると感じ取っている人たちには、その奥底に隠された意味があるのではないか?と考えるに至った。
余談だが、イーロン・マスクは割と最近まで多くのIT系起業家同様に比較的熱心な民主党支持者であった。2020年の大統領選においても、バイデン(民主党)に投票したと言われている。過去には多額の政治献金も民主党に行っていた。
しかし、2022年くらいから意見の変容が見られ、Twitterを買収した同年11月には米国民に共和党への投票を呼びかけている。
ただ、意見の変遷を見るとどちらかの党に肩入れするという感じではなく、イーロン自身の考える正義や真実(まあ、ビジネスマンなので利害関係も)に従って支持政党や社会政策に協力しているように感じる。
では、どう読み解く?
さて、ここからはわたしの勝手な解釈となる。
確かにイーロン・マスクは「X」というワードを好んで使い、彼の立ち上げた多くの事業も「X」を冠している。
しかし、今回Twitter社の社名とロゴを急いで「X」としたのは何らかのメーっセージ性があり、そのメッセージをカモフラージュするために自身の好んで使用する「X」とした。
そしてカモフラージュしているものの、少し考えれば誰でも辿り着ける結論として、「X」はローマ数字を意味しているのではないか。
すなわち、
・Twitterを「X」に変更することを発表した7/24の10日後の8/3
・SF本社の看板の立て替えとアプリのロゴを置き換えた7/30の10日後、8/9
・単純に8/10(場合によっては日本時間の8/11)
に何か起きることを示唆しているのではないだろうか?
なので、今後の展開として看板やロゴが突然10よりも少ないローマ数字(例えば「Ⅴ」とか「Ⅲ」)を連想されるものに何かしら強引にでも変更されるようなことが起こるのかもしれない。
そして、このカウントダウンの行き着く先は・・・
現在の世界のパワーバランス、アメリカ国内の状況、ドルの信用力低下などを踏まえると、残念ながら楽観的なものとはならない気がする。
埼玉県民のわたしにとっての「エックス」はこれ
(おしまい)
コメント