プラチナ・ホワイトゴールド・シルバー

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プラチナ・ホワイトゴールド・シルバーの違い

人気の高いホワイトカラーの金属ですがいくつか種類があり、しかも紛らわしい日本語訳と相まって混乱する原因にもなっています。
ここでは、昔からジュエリーに使われるプラチナ、ホワイトゴールド、シルバーについて詳しくお伝えしようと思います。

まずは、この3つに共通する点ですが、3種類ともに「貴金属」であるという点です。「貴金属」とは存在が希少で、腐食に対する耐性を持つ金属群のことを指します。
「腐食に対する耐性」とは、酸化しない、ようは「錆びない」ということです。

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基礎知識として

プラチナについて

元素記号「Pt」で表す金属のことです。
プラチナのことを日本語で「白金」と呼びますが、これをそのまま英訳すると「ホワイトゴールド」となってしまうので注意が必要です。
その名の通り、白い光沢を放つ金属です。
化学的に非常に安定であるため、装飾品や各種の触媒としても利用されています。

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プラチナの合金としては、銀及びパラジウムを15%混ぜたもの、10%、5%、0%(純プラチナ)の4つの種類があり、それぞれ千分率でプラチナの割合を表した850、900、950、999(1000と同意)と表記(刻印)されます。
プラチナ及びプラチナの合金には、PT、Pt、Plat、PLATINUMなどと表示され、これと割合の3桁の数字が刻印されるのが一般的です。

ホワイトゴールドについて

ゴールド(金)自体は、黄色(いわゆる金色)の金属で、元素記号は「Au」となります。
そのゴールドを、プラチナに似た白い色を合金で出せないかと研究されてできたのがホワイトゴールドです。

代表的なホワイトゴールドの合金として、金75%(=K18、18金)+パラジウム25%の割合で合金する製法や、金58.5%(=K14、14金)+銀10%+銅10%+パラジウム20%+亜鉛1.5%の割合で合金にする製法が知られています。
ホワイトゴールド製品には、色が似ているプラチナや銀と間違わないように「WG」と刻印されます。
例えば前者の場合は「K18WG」、後者の場合は「K14WG」というふうに刻印されます。

シルバーについて

元素記号「Ag」で表す金属です。
光の反射率が高いことから、美しい白色の金属光沢を放ちます。また、銀には高い抗菌作用があることはよく知られています。

銀も用途によって様々な割合で合金され使用されています。
ジュエリー用途としては、銀92.5%と銅7.5%を合金した「Ag925」(「SIL925」や「925」などとも記載)や銀90%と銅とその他金属10%を合金した「Ag900」などが広く普及し、また上記の表記通りに刻印されています。

ジュエリー(アクセサリー)への影響

ここまで、プラチナ、ホワイトゴールド、シルバーの基本的な特徴についてお伝えしましたが、では、実際に手にすることになるリングやペンダントに加工された際にどのような違いが出るのか比較してみましょう。

変色

合金方法によっても違ってくるので絶対ではないのですが、一般論として、
プラチナ(変色しない)≧ホワイトゴールド(コーティングされている場合も)>シルバー(変色して渋さがでる)

あれ、最初のほうで「貴金属は酸化しない」って言ってね?と思ったかもしれませんが、まずはシルバーの場合は、変色は酸化ではなく硫化という現象で、空気中の硫黄成分と反応して変色しています。またホワイトゴールドは、ほとんどが合金時に使用した銅が酸化して変色します。

硬さ(粘性)

ジュエリー用に合金した際の硬さ(粘性)なので注意してください。
プラチナ(切るの大変)>ホワイトゴールド>シルバー(彫金初心者にも)

ペンダントなどのチェーン上にした場合、プラチナよりもシルバーの方が切れやすく、細めのリングなんかもシルバーは変形しやすい、ということになります。
逆に加工はシルバーが最も加工しやすく、プラチナが加工しにくい貴金属となります。

比重

少し専門的な話になりますが、次の「価格」の説明に関連するので目を通しておいた方が理解が深まると思います。
まず比重ですが「同一体積下での重さ」を示し、4℃の水1立方センチメートルが1グラムとなることを基準にして「比重1」としています。

代表的なジュエリー用の貴金属の比重はおおよそ以下の通りです。
 Pt950→20、 K18WG→15、 Ag925→10
例えば、長さ50cmで太さも同じペンダントチェーンが素材違いであったとします。
シルバーの重さが10gだとすると、ゴールドは15g、プラチナは20gのチェーンになる、ということです。
比重は、ゴツめのネックレスやブレスレットだと体感できると思います。

価格

貴金属の価格はロシア・ウクライナ問題以降変動幅が大きいので注意が必要です。
なお、この情報は2023年2月上旬のデータをもとにしています。

まずは代表的なジュエリー用の貴金属の値段ですが、1gあたり
 Pt950→4,200円、 K18WG→6,500円、 Ag925→100円
おそらく2点驚くポイントがあると思います。
1つはプラチナとゴールドの価格差と順序、もう1つはシルバーの価格(安さ)です。

話の流れが前後してしまいますが、シルバーについては昔からさほど状況は変わっていません。
宝飾用のシルバーはその素材の値段よりも加工賃やデザイン代が価格の大部分を占めます。

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問題はプラチナとゴールドです。
ゴールドの価格が急騰して・・・なんてニュースをよく聞くようになったと思います。
一昔前までは、プラチナは金よりも高額なのが普通というか常識でした。ただ、2015年にはプラチナとゴールドの価格差は逆転しています。
一方、ジュエリーの価格は、最近は価格差が縮まってきているとはいえ「プラチナ>ゴールド」となっていることがほとんどです。

なぜなのでしょうか?

実は今まで説明したことに答えが隠されています。
1つは加工のし易さ、すなわち工賃に影響してきます。先述した通り、加工はプラチナよりもゴールドの方がし易く、その差は大きくありませんが工賃を抑えることができます。

次に比重です。この比重がプラチナとゴールドの価格差を埋める最大の仕掛けとなります。
少し話をさかのぼってプラチナとゴールドで作られた長さ50cmの同じ太さのペンダントチェーンを購入するとします。
両者の地金代はいくらになるでしょうか?
 プラチナ:20g × 4,200円 = 84,000円
 ゴールド:15g × 6,500円 = 97,500円
とかなり差は縮まってきます。ここに加工費が加わってくると両者の違いはグラム当たりの単価ほどのインパクトは無くなってきます。
(それでもここ最近の金価格の急騰は全てを吸収できるレベルを超えていますが・・・)

いろいろ書きましたが、それぞれの特徴もふまえて自分にあった素材を選びたいですね。

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(おわり)

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執筆担当者
この記事を書いた人
ぶたねこ店長

現在、個人事業主としてECショップ運営を中心に活動しています。

23年間、会社勤めをしていました。うち22年間は最大手の外資系宝飾ブランドに所属していました。
店頭業務にも携わっていましたが、主にオフィス業務で商品開発、販売促進、マーケティング、取引先との交渉など多岐にわたる業務をこなし、さまざまな知識と経験を得ることができました。

さらに、GIA G.G.(米国宝石鑑定資格)というマニアックな資格を米国で取得しているので、宝石や英語学習に関する見識があります。

10年以上に渡り出張族(日本国内がメイン)として、佐賀県以外の都道府県をすべて訪問し、地方の居酒屋などもよく知っています。

これらの事をブログで発信していきます。
「Curio Trading ブログ」(宝石や百貨店などの特化ブログ)
「店長のひとりごと」(雑記ブログ) という構成になります。
ぜひご一読ください。

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