マイコンが欲しい!
さて先の家庭用テレビゲーム機ブームと時を同じくして、世の中ではパソコン・マイコンがにわかに活気づいていた。
そのブームの波は小中学生にも少しずつ広がりだし、すがやみつる先生の描いた「こんにちはマイコン」を食い入るように読んだことを覚えている。
しかし、マイコンは当時の小学生には難しく扱えそうにもなかったので、次々と発売される高価なコンピューターを指をくわえて眺めていた。
〈スポンサーリンク・すがやみつる先生著(今も一線でご活躍しているってすごい)〉
第2部 NEC PC-6001mkⅡSR編
中学の入学祝い
父親の勤める会社で何に使っていたのかわからないが、コンピューターを導入し専門の担当者が入社することとなった。そのコンピューターを使っての業務が父にとってかなりの衝撃だったらしく、口癖のようにコンピューターを憶えなさいというようになっていた。
我が家には第1部で登場したSC-3000があるのだが、すでにキーボードのついたゲーム機である。と正体がバレてしまっていた。
そこで目に止まったのが、当時しきりに宣伝していたMSXだ!
何かよくわからないが標準仕様で、たくさんの会社からMSXを発売している。そして、何よりあまり高くない!!
そんなわけで、小学校の卒業と中学の入学祝いとしてMSXを買ってもらうこととなった。
お正月の「マイコンBASICマガジン」
どのMSXにしようかと、当時のわたしは「マイコンBASICマガジン」(以下、ベーマガ)を熟読していた。そして、お正月も過ぎたころ(見つけなければ良いのに)見つけてしまった!
PC-6001mkⅡSRがかなり割引されて特価品として販売されているのだ。
PC-6001シリーズは少し前まで食い入るように読んでいた「こんにちはマイコン」で採用していた憧れのシリーズだ!!
しかも、その最上位機種PC-6001mkⅡSR(正確にはFDDを搭載した上位機種のPC-6601SRがある)は、しゃべる!歌う!!
わたしは(よせば良いのに)一気に魅了された。
データが読み書き込みできるテープレコーダー込みで破格の金額でベーマガに掲載されていた記憶がある。
父に直談判し、父の予算を上回る分はわたしのお年玉を使うことを条件に、念願のPC-6001mkⅡSRを手に入れることができた。
旬を過ぎた機種。そして誰も持っていない
中学校に進学したわたしの周りでは、断然ファミコンが大きな勢力を持ち、同級生との会話の多くはドラゴンクエストとジャンプ漫画(その頃はドラゴンボールと聖闘士星矢だったような)が占めていた。たまにSEGA派の同級生もいたが、その頃のわたしはSEGAのゲーム機を持っていることを隠すようになっていた。
そうしたファミコン全盛の中にもパソコンで遊んでいる同級生もいたが、彼らはみなMSXユーザーだった。
PC-6001mkⅡSRを手にした当初こそ嬉しくって、それこそベーマガに掲載されているプログラムを打ち込んだり、Basicで簡単な絵や音楽そして独自の機能の音声や歌を鳴らしてみた。
しかし、正直、難しいことをするスキルもないので半年程度ですっかり飽きてしまい、新作ゲームがたくさん出るMSXを持っている同級生が羨ましくってしょうがなかった。
周りにいる同級生がPC-6001シリーズを持っていないことに加えて、同シリーズはすでに旬を過ぎていて時代はPC-8001シリーズへ向かおうとしていた。そのため、市販のゲームソフトも新作はほとんどない状態だった。
この機種は、本当に申し訳ないが1年足らずで箱に仕舞い二度と開封することはなかった。
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