勝ち組ハードを買えない少年期 1 (SEGA SC-3000編)

店長のひとりごと

ぶたねこ店長は負け組ハードを選ぶ呪いにかかった!!

さて、以前書いたことがあるがぶたねこ店長は50手前のおっさんだ。
この世代のおっさんに共通した話題がある。そう、この世代はテレビゲームがお茶の間に登場し、いろいろなゲーム機やソフトウェアが生まれるのを目の当たりにしてきた世代なのである。

わたしも例に漏れず、小学生の時に登場したファミコンを皮切りに、様々なハードとゲームソフトを手にしてきた。

1つ違う点があるとすれば、なぜか常に負け組ハードを選んでしまうという点だ・・・

第1部 SEGA SC-3000編

それは小4のクリスマスに始まった

1983年(昭和58年)夏におもちゃに革命が起きた。任天堂のファミリーコンピューター(以下、ファミコン)が発売したのだ。
当時、わたしは同社のドンキーコングにハマり、おやつ代として貰う50円玉を握りしめては駄菓子屋のゲームコーナーで遊んでいた(当時、ゲームセンターみたいな場所は不良のお兄さんが多く学校から小学生は行ってはダメといわれていた)。

そんなわたしがファミコンのテレビコマーシャルを観て、ぶったまげたことは想像に難くない。
「駄菓子屋のゲーム機と同じ画面のゲームが家庭でも出来る!!
そして、50円使わないなら 「おみくじガム」* を買える!!」

母親にいくつかの家の手伝いをすることを条件にその年のクリスマスに買って貰う約束をした。

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なんでおまえがついてくるんだ

わたしには5つ年の離れた兄がいる。
兄はいまでいうコミュ障で、あまり家の外に出たがらない性格なのだが・・・

12月に入った週末、わたしはかねてから母と約束をしていたファミコンを買いに地元のデパートに行く準備をしていた。
一緒に買うソフトも決めていた。念願の「ドンキーコング」と「マリオブラザーズ」だ!!マリオブラザーズは2人プレイも出来るので友人の少ない兄とも遊んであげれるな、と少しの優しさも持ち合わせていた。

母親の運転する車に乗り込もうとすると、助手席にちゃっかり兄が座っていた。
まあ、こいつもクリスマスに何か欲しいのだろう、とあまり気にせず後部座席に座りデパートに向かった。

この後に悲劇が起こることも知らずに・・・

人の買うものに口を出すな!!

兄は欲しかったレコードがあるらしく、本屋に併設されたレコードショップでお目当てのレコード2〜3枚をクリスマスプレゼントとして買ってもらっていた。

さて、いよいよわたしの番である。
おもちゃ売り場に向かい、店員さんに声をかけようとした時、ふだん無口の兄がおもむろに口を開いた。

「こっちのSEGAの方が有名なゲーム会社じゃないの?」

テレビゲーム陳列しているコーナーには、お目当てのファミコンとファミコン以外のゲーム機が2〜3台置いてあったのだ。
SEGAのSG-1000 とエポック社のカセットビジョンだったと記憶している。

兄は無駄に記憶力が良い。そして普段はしゃべらないがしゃべりだすと弁がたつ。

「任天堂ってトランプとか花札作っている会社でしょ。ゲームウォッチも作っているけど、テレビゲームみたいなゲーム機の実績ないし、SEGAの方がゲームセンターのゲームいっぱい作っている大手だから安心じゃないの?」みたいなことを言い出した。

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さて、兄弟姉妹のいる方ならわかると思うが、兄弟間のヒエラルキーは存在する。
普段テキトーなことばかりやっているわたし(約束した手伝いもあまりしなかった)と無口ながら学校の成績も良い兄とでは発言の重みが違うのだ。

母親はすでに兄の意見へとなびいていた。
そう、イニシアティブは完全に兄に移行したのだ・・・

店員さんには母親が質問していたと記憶している(兄はコミュ障だから店員さんと直接しゃべれない)。
さて、あれやこれやと店員さんの話を聞いてみると、SEGAからは完全にゲーム機型のSG-1000とパソコンとしても使えるSC-3000の2種類が発売されているとのこと。

母親は「パソコンとしても使える」というフレーズがいたく気に入ったようで(これもBASICのROMカセットは別売りだったり、保存媒体が別売りのうえ入手にしにくいとうワナが張りめぐされているのだが・・・)、予算は大幅にオーバーしてしまうものの、ほぼSC-3000に決まりかけていた。

「ドンキーコング」は唯一無二じゃないのか

全てに飲み込まれそうになったとき、魂の叫びが聞こえた。
「そうだ!わたしはドンキーコングを家でやりたいんだ!!」わたしは意を決して母親と店員さんとの大人の会話に割り込んだ。

「ボクはファミコンのドンキーコングを家で遊びたいんです!!」

店員さんはニヤリと笑い(ウソです。誇張してます)、何かを取りに行った。
そして、手にしていたのはドンキーコングに似ていなくもない「コンゴボンゴ」というゲームだった。

かくして我が家にSEGA SC-3000がやってきた。
兄貴が少しだけ遊ぶことになる「BASIC」と「ベースボール」、そして「コンゴボンゴ」と共に・・・

*おみくじガム
グリコの「うらないっこフーセンガム」が流行っていて、当時30円で買えたような気がする。

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(第2部につづく)

 

店長のひとりごと
執筆担当者
この記事を書いた人
ぶたねこ店長

現在、個人事業主としてECショップ運営を中心に活動しています。

23年間、会社勤めをしていました。うち22年間は最大手の外資系宝飾ブランドに所属していました。
店頭業務にも携わっていましたが、主にオフィス業務で商品開発、販売促進、マーケティング、取引先との交渉など多岐にわたる業務をこなし、さまざまな知識と経験を得ることができました。

さらに、GIA G.G.(米国宝石鑑定資格)というマニアックな資格を米国で取得しているので、宝石や英語学習に関する見識があります。

10年以上に渡り出張族(日本国内がメイン)として、佐賀県以外の都道府県をすべて訪問し、地方の居酒屋などもよく知っています。

これらの事をブログで発信していきます。
「Curio Trading ブログ」(宝石や百貨店などの特化ブログ)
「店長のひとりごと」(雑記ブログ) という構成になります。
ぜひご一読ください。

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