宝石やアクセサリー系のサイトで見かける「GIA G.G.」ってなに?
皆さんの中にもジュエリーやアクセサリー系の買い物や調べ物をしていて、プロフィールや商品説明の中に「GIA G.G.」と記載されているのを目にしたことがあるかと思います。
わたしもアクセサリー系のECショップを運営しており、プロフィールに『「GIA G.G.」(米国宝石鑑定士)資格を所持』と記載しています。
では、このGIA G.G.とはいったいなんなのでしょうか。
GIA G.G.
世界的な宝石学の権威である米国宝石学会(Gemological Institute of America)の定めるカリキュラムを修了(Graduated)し、宝石について一定レベル以上の見識を持つ者(Gemologist)に与えらる資格が「GIA G.G.」です。
*「Gemologist」というのも、Mineralogist(鉱物学)とGem(宝石)をかけあわせGIAが普及させた造語です。
宝石業界では(使えるか使えないかはひとまずおいといて)割とメジャーな資格なのですが、一般的な知名度は高くはありません。
2015年までは東京と大阪にも分校があり日本でも資格が取得できたのですが、以降は東京・大阪ともに閉校となってしまい、本拠地のあるアメリカや香港、台北などで取得する必要があるようです。
約6ヶ月間みっちりと授業と実習(主に鑑定や鑑別)を行い、何度かあるペーパーと実施試験をパスして、はれて「G.G.」の資格を手にすることができます。
わたしは国際的な舞台で仕事をしたい事もあったので、アメリカの本部があるカールスバッド校で20年以上前にGIA G.G.を取得しました。
宝石鑑定士?宝石鑑定資格?
一昔前のテレビドラマ(特にサスペンスもの)では、宝石鑑定士と呼ばれる方々が活躍する場面を度々目にしました。ではこの宝石鑑定士と呼ばれるためにはどのような資格や条件が必要なのでしょうか?
一般に士業と言われる弁護士や税理士のような国家資格は残念ながら宝石には存在しません。一方、百貨店の宝石売場や宝石店などに行くと、多少の表記に違いがあるものの「宝石鑑定士」あるいは「宝石鑑定資格」と名刺に記載されているのを目にすることがあります。では彼らは経歴を詐称したりウソを名刺に記載しているのでしょうか?
そうではありません。
まず宝石鑑定士ですが、国内に宝石の鑑定・鑑別を行っている機関が複数あり、そういった機関に所属し鑑定を行う担当者を宝石鑑定士と呼んでいます。また、わたしの経験的に過去にそういった業務についていた人なんかも宝石鑑定士と名刺に記載しているケースも見受けられます。
では宝石鑑定資格とは一体何なのでしょうか?
宝石鑑定資格 ≒ GIA G.G.
先述しましたが、宝石鑑定資格という国家資格はありません(余談ですが現在国内で鑑定士とつく国家資格は「不動産鑑定士」のみです)。しかし、わたしを含め自身の資格に「宝石鑑定資格」保持と記載することは特に商習慣的な観点から珍しいことではありません。そういった場合、多くのケースで例えば名刺であれば「GIA G.G.(米国宝石鑑定士)」と記載したり、「宝石鑑定資格(GIA G.G.)」といった感じで記載していると思います。
残念ながら特に国内ではGIA G.G.の知名度が低いため、便宜上、GIA G.G≒宝石鑑定士という呼称でお伝えしています。
もし、あなたが百貨店や宝石店で「宝石鑑定資格」と記載のある名刺を受け取った際は名刺をよく見るか見当たらない際は聞いてみてください。その多くが、GIA G.G.資格を保持しているはずです。
国内に拠点があった事もありGIA G.G.が最もメジャーですが、国際的にも通用するという面では、イギリスのFGAという資格も知られています。また、国内で民間業社がいくつか宝石鑑定資格のコースを用意しているようです。
余談
宝石鑑定士は皆GIA G.G.を所持しているのでしょうか?
残念ながら答えは「No」です。宝石鑑定士としての採用を希望する際、G.G.の資格が採用時に有利になることはありますが、G.G.資格(や類似資格)が必須というわけではないようです。
私見ですが、GIA G.G.資格が最も有効に使えるのは接客業だと思います。
高額のダイヤモンドやサファイアなんかを購入しようと思った時に、正しい知識を身につけた店員さんに説明してほしいと思うのはわたしだけではないはずです。
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(おわり)
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