私と外商との関わり
年々少なくなる年賀状を整理していると、かつてお世話になった外商のお客様からの年賀状が何通か紛れていました。
思えば、わたしの今までのキャリアにおいて外商顧客とのつながりを含めた外商ビジネスとの関わりは深いものがあり、また幸いなことに1セールスマンとしての職務だけではなく、それこそ北は北海道から南は沖縄まで前職のジュエリーブランドと百貨店の外商部との関係構築のために奔走したことを思い出します。
わたしと外商ビジネスの馴れ初めは、都内某百貨店に外商担当者として異動したことから始まります。幸運なことに何人かの外商顧客に可愛がっていただき、それなりに売上を獲得できたことから、本社で外商ビジネスを主導するポジションとして異動する事になりました。
その後、紆余曲折を経てイベントを通した売上拡大と主に地方の取引先拡大を主導する部署へと異動しました(というか立ち上げメンバーになりました)。
そんなわけで、東名阪の主要百貨店の外商部とも地方百貨店の外商部とも繋がりのある不思議な環境下で業務に従事することになりました。
外商顧客になると・・・
まずは外商顧客にならないと外商顧客向けのサービスを受け取ることはできません。
入会方法は探せば関連するブログが複数見つかるのでここでは省きますが、ポイントは外商顧客専用のハウスカード(大手カード会社と提携していることも多いが百貨店の発行するクレジットカード)を取得している点です。
外商顧客の受け取ることができるサービスはだいたい以下になると思います。
・制度値引き・優待(年間購入金額よって値引率が変わったり、対象外のブランドがあったりします)
・新作や限定品のご案内
・ご自宅届けや訪問販売(三越系は「お帳場」という独自の考えがあり、来店して頂くことを重要視します)
・百貨店の主催するホテル宴会場や外商サロン内での各社合同の販売会
・高級ブランド(ジュエリーや時計、バッグなど)の単独での特別招待会(これもホテル宴会場での開催が多い)
これらのサービスで特にわたしが関わってきた訪問販売・ホテル宴会場での販売会・特別招待会についてもう少し細かくお伝えします。
訪問販売(ご自宅届け)
おそらく多くの方がイメージする外商サービスがこの訪問販売になるかと思います。
百貨店の外商担当者が単独で、お客様から依頼されたりお薦めしたいと思う商品を持参してご自宅に伺うことも多いのですが、わたしの扱っていたジュエリーのような高額品だとブランドの販売担当者同伴で複数の商品を持参することもあります。
持参する商品ですが、事前にお客様情報を得られれば購入実績やリクエストに応じて商品を選定します。またお客様の趣味嗜好が分からなかったり訪問先が複数あるときなどは、売れ筋に加え、店頭でディスプレイされているよりも少し金額を高めに商品のパッケージを組みます。限定品などもこの機会にご案内することが多いです。
合同の販売会
主にホテル宴会場で百貨店が主催し、各ブランド合同で開催します。
コロナ以降開催が減ってきていますが、それでも年に数回、かなりの規模で開催されています。
そごう西武系列の「高輪会」、三越伊勢丹系列の「逸品会」、高島屋系列の「薔薇会」などが有名です。
基本的には有名ホテルの宴会場で、各ブランドごとブースやショーケース数台に商品を陳列して、外商顧客のための販売会場を1〜2日程度作り上げるのです。
外商カードを保有し、かつ、招待状を持参されたお客様のみが会場に入ることができます。
販売会にもよりますが非常に多くのブランドが出展するので、ブランド好きで色々見てみたいというお客様にはこの上なく魅力的な催しです。
単独での特別招待会
恐らくその存在を知らない人も多いのではないでしょうか?
主に高級ブランドが開催している単独での販売会です。
会場はその地区のトップクラスのラグジュアリーホテル宴会場やスイートルーム、有名レストラン、私的に運営している美術館、ときにはそのブランドの本店や新規開店店舗などで開催されます。
規模感も大掛かりに開催する時もあれば、少数のお客様のためにプライベートな空間を創出して販売会を行ったりもします。
新作や限定商品、世界中のイベント会場を巡回するトラベリング・コレクションなどが発表されるのもこの特別招待会が多いです。
こちらも完全招待制で開催されるのですが、ハードルは先の合同販売会よりも高く、外商カードホルダーの中でもトップクラスのお客様や購入実績の高いお客様に限定されることも多いです。
最近の傾向
ここ数年は外商カード取得のためのハードルはかなり低くなってきており、百貨店で高額品を1度でも購入したり、銀行のプレミアムサービス利用の特典として外商カードを案内されることも少なくありません。
ただ外商カードの用意するサービスを利用するには、それなりの所得や資産が必要なことも事実で、カード自体は年収600万円程度でも取得できるものもありますが、カードホルダーとしていろんなサービスをペイできるのは年収1000万円以上でないと難しいように感じます。
また、一昔前は大企業の役職についている方がカードを持っていることも多かったのですが、最近ではサラリーマンは少なく、若くてもご自身で事業をされている方がカードホルダーとして優待の利用や招待会に参加しているケースを見受けられます。
(おわり)
コメント